あらすじ
古龍ディレシェリアグレイアは、人間という種族にちょっと興味があった。
小さくて、弱くて、それなのに妙なものを次々と作り、いつも忙しそうに暮らしている。
ならば一度、人間になってみよう。
そんな軽い好奇心から人化の術を試した彼女は、見事ひとりの少女へと姿を変えることに成功した。
そして気付いた。
デリア「……戻り方、わかんない❤てへ(´∀`*)」
人化はできた。
解除方法は知らなかった。
そんな彼女を最初に拾ってしまったのは、田舎で静かな余生を送るはずだった元英雄級冒険者レオル。
服を着るところから人間社会について教えられ、「デリア」と名乗るようになった古龍の少女は、元の姿へ戻る方法を探しながら、人間たちの世界で暮らし始める。
だが、ほんわかした性格とは裏腹に、デリアの正体は都市国家すら正面から戦いたくない古龍の超優良種。
人間用の武器は壊れる。
魔物はだいたい一撃。
本人には戦略兵器という自覚などまるでない。
やがて彼女の周囲には、善人なのに怪しさ満点のマッドサイエンティスト、政治闘争を嫌って辺境へ飛ばされた真面目な子爵、神の教えを真面目に信じすぎて教会から持て余される聖職者、魔物素材を見ると我を忘れる敏腕商人――さらには彼女を殺しに来たはずなのに一目惚れしてしまった凄腕の女暗殺者まで集まり始める。
誰も大それたことなど考えていない。
ただ困っている者を助けたり、好きな研究をしたり、真面目に商売したり、惚れた女についていったりしているだけ。
なのに王都から見ると、辺境にとんでもない勢力が誕生しつつあるようにしか見えなくて――?
これは、人間になったはいいものの戻れなくなったほんわか古龍と、なぜかその周りに集まってしまった有能な変人たちのお話。
デリア「そのうち戻れるでしょ!」
レオル「頼むから、もう少し深く考えてくれ……」