あらすじ
────俺は、あの子の『好き』を否定した。
敷島 樹(しきしま いつき)には、忘れられない過去の失敗がある。
いつも一緒に遊んでいた、歌うのが大好きだった女の子────その子の歌を否定してしまったことを。
それからは樹自身も好きという感情を上手く抱けずにいた。何をするにも、ただなんとなく……。
過去に囚われ、時が止まったような日々を送っていたある日、空き教室から聞こえてきた歌声に足を止める樹。
そこで、クラスの人気者・朝比奈 詩音(あさひな しおん)の秘密を知ってしまう。
歌が大好きで歌手を目指していること。
だけど────好きな歌を否定された過去のトラウマから、人前で思うように歌えないこと。
放課後の誰も来ない場所で練習してまで夢を追いかける姿。諦めずに突き進もうとする詩音を見て、樹も自分自身の過去と向き合っていく。
好きを否定した過去の後悔を持つ少年と、好きを否定された過去の恐怖と戦う少女。
夢を追う中で生まれる出会いや困難は、二人をどう変えるのか。
好きを知って、好きを分かち合い、好きに悩んで、好きを貫く────不器用でも輝かしい青春ストーリー。