あらすじ

名古屋が、天むすを三重へ返した。――たった1枚のポスターから、10人の人生まで巻き込まれていく。 「名古屋発祥! 伝統の天むす」 名古屋駅近くのイベント会場で開催されている『どえりゃあ名古屋めし博2024』に掲げられた、その一文。ところが、天むすの発祥は、三重県津市だった。 訂正のために用意されたスタッフ用の紙が、なぜか表に貼り出される。 そこを動画配信者が絶妙に切り取り、 《名古屋駅、天むすを三重へ返却》 ――投稿は大拡散。 「ナガシマまで名古屋にする気ですか」 「台湾人に台湾ラーメンを聞くな」 「八丁味噌まで名古屋にしたら岡崎から怒られますよ」 気づけば、天むす1個から東海地方の「それ、どこの名物?」戦争が始まっていた。 巻き込まれたのは、失敗を抱え込む21歳のアルバイトスタッフ、津を出たいのに津を雑に言われると怒る女子高生、30秒にすべてを切り取るインフルエンサー、他人の文章には厳しい元新聞校閲者、仕事なら何でも即決できる広告プランナー、道案内は完璧なのに自分の行き先だけ決められない名古屋駅案内所スタッフ――。 全員ちょっと面倒で、かなりおかしくて、だけど本人だけが自分を知らない。 誰かの何気ない一言が、別の誰かの背中を押す。 天むすの発祥をめぐる小さな大騒動から始まる、 笑って、揉めて、すれ違って、それでも少しだけ昨日と違う場所へ進んでいく、名古屋駅発の群像コメディドラマ、開幕。

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エブリスタ
エブリスタ2026/09/19
  • 現在の作品名古屋駅、午後五時の「天むすは三重です」事件