あらすじ

海外版のサンプル訳に、たった一行だけ返した。 『正確すぎて、愛がない訳だと思いました』 それだけのことだった。恋愛小説家・水城灯子、三十一歳。筆名は星野あかり。 他人を本気で好きになったことがないまま、観察と技巧だけで十年、恋愛を書いてきた。条件として提示されたのは、刊行までの毎週の検討会。 場所は、訳者の自宅の書斎。 現れたのは、身体の大きな、黒縁眼鏡の男だった。 「見えないくらいが、いいよ」 この男は、灯子の本を十年、読んでいた。 一行の読点の位置まで、暗唱できるほどに。 冷房の効きすぎた密室で、毎週ひとつずつ、書いた人間のほうが読み解かれていく。 ※性描写があります。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
エブリスタ
エブリスタ2026/09/20
  • 現在の作品訳文に『愛がない』と送ってしまったら、十年物のガチ勢(※翻訳者)に身体まで読み尽くされました♡