あらすじ
王都で「悪女」と呼ばれている公爵令嬢、アリア・セレナディア。
美貌と家柄、そして高い教養を持つ彼女は、第二王子レオンハルトの婚約者として誰もが羨む立場にいた。
しかし、アリアには一つだけ問題があった。
人に媚びない。
間違っていることを間違っていると言う。
誰かに嫌われることを恐れず、自分の信念を曲げない。
それだけの理由で、彼女はいつしか社交界で「冷酷な悪女」と呼ばれるようになっていた。
そんなある日、王都でアリアに関する悪い噂が次々と広まり始める。
令嬢をいじめた。
侍女に暴力を振るった。
王子を利用して権力を得ようとしている。
どれもアリアには身に覚えのないものだった。
そして決定的な事件が起こる。
第三王子が何者かに襲撃され、その現場からアリアの持ち物が発見されたのだ。
濡れ衣だと訴えても、証拠はすべてアリアを指し示している。
さらに、婚約者であるレオンハルトまでも、王族として彼女を疑わざるを得ない立場に追い込まれてしまう。
「私が悪女だと言うのなら、それで構いません」
「ですが――私を陥れた人間だけは、絶対に許しません」
すべてを失う覚悟を決めたアリアは、自らの手で真実を探し始める。
その過程で彼女は、王宮に隠された陰謀、貴族たちの思惑、そして自分自身も知らなかった秘密へと少しずつ近づいていく。
一方、距離を置くはずだったレオンハルトは、アリアが危険に巻き込まれるたびに彼女を守ろうとする。
「君を疑ったことを、俺は一生後悔する」
「なら、私を信じてください」
「……分かった。今度は、誰が敵になろうと君を信じる」
悪女と呼ばれた令嬢と、彼女を守ろうとする王子。
二人の関係は、婚約者という立場を越えて、少しずつ変化していく。
果たしてアリアは、自分を陥れた黒幕を見つけ出し、汚名を晴らすことができるのか。
そして、彼女が最後に選ぶのは――。
これは、悪女と呼ばれた一人の令嬢が、誰かの決めた運命ではなく、自分自身の手で未来を切り開いていく物語。