あらすじ
在宅で印刷物制作の仕事をしている小森昴、二十二歳。
仕事柄、コピー用紙やインク、資料などをネットで注文することが多く、家には頻繁に宅配便が届く。
そんな昴の住む地区を担当することになったのが、同い年の宅配ドライバー・葛西迅だった。
初めて昴の家へ荷物を届けた日。
仕事の途中らしく、ラフな部屋着姿で玄関に現れた昴がふっと笑った、その瞬間。
迅は一目惚れした。
けれど、相手は大切な配達先のお客様。
仕事で知った住所や連絡先を私的に使うなんて論外だ。
だから迅は、荷物を届ける数分だけを密かな楽しみにしながら、いつも通りの配達員として昴に接していた。
「また紙?」
「また紙ですね」
「俺が好きで頼んでるわけじゃないからな?」
何度も顔を合わせるうち、業務的だった会話は少しずつ増えていく。
そして休日、偶然仕事以外の場所で再会したことをきっかけに、二人は初めて“配達員と客”ではなく、同い年の男同士として距離を縮め始める。
迅にとって昴は、最初から好きな人。
けれど昴にとって迅は、まだ“いつも荷物を届けてくれる、話しやすい配達員”。
そんなある日、迅が数日担当を外れることになり――。
いつもと違う配達員から荷物を受け取った昴は、玄関を閉めたあと、なぜか物足りなさを感じてしまう。
待っていたのは、荷物だったはずなのに。
――俺、迅が来るのを待ってた?
荷物を受け取るだけだったはずの日常から始まる、
一目惚れ宅配ドライバー×恋に鈍い在宅印刷物制作スタッフの、じれったくて甘い溺愛ラブストーリー。