あらすじ
世界は「公式記録」という絶対的な嘘で塗り固められていた。
空の色も、金属の性質も、使っていい魔法の種類すらも、すべて上層部に管理されている。そこから外れるものはすべて「バグ」として消される世界。
主人公のルイは、王都の記録官だった。
だけど、古い言い回しをうっかり口にしたり、捨てられたガラクタを直したりしていたせいで、「無能な異端」として文明の果てにあるスクラップの山――『灰の谷』に放り出される。
……でも、それは表向きの話。
本当は、ルイの血族だけが知る秘密があった。この世界の底には、誰も知らない「本当の歴史」と、現実の法則を書き換える禁忌の力が眠っている。
追放をきっかけに、誰もいない灰の谷で自由気ままな工房暮らしを始めようとするルイ。
しかし彼が古い言葉を使って世界をいじるたび、管理された窮屈な世界は、少しずつ狂い始めていく――。
追放された男が、気ままに自分の城を作りながら、いつの間にか世界の裏側をひっくり返していくお話です。