あらすじ
十五歳を迎えた市民が生涯に一度の儀式で使役獣を召喚し、そのレアリティによって身分と人生のすべてが決定される星脈都市アルカナム。大貴族の次男ガルシアが最高峰のSSR「真紅の業火竜」を引き当てて称賛を浴びる一方、スラムの孤児アレン・クロムウェルが引き当てたのは、戦闘能力皆無の最底辺Nランク「沼地の小ナメクジ」だった。
下層清掃兵への左遷を宣告され、周囲から嘲笑を浴びた瞬間、不条理な格差と運命への激しい怒りによってアレンの固有能力【リセット・アンド・ロール】が覚醒する。それは、結果を確認した後に意識と記憶を保持したまま事象を召喚直前へと巻き戻す、世界で唯一の「リセマラ能力」だった。
世界は巻き戻っても、精神的疲労と主観時間はアレン自身に累積していく。だが彼は、途中で引いた優秀なSRや並のSSRにすら一切妥協せず、心拍数や魔力波長をミリ単位で微調整して乱数をズラし続ける孤独な試行へと没入する。
主観時間にして数ヶ月、精神が摩耗し狂気に呑まれかけた「第十三万八千四百二十一次」の試行。アレンはついに、大聖堂のステンドグラスを粉砕し測定水晶を破壊する、排出確率計算不能の禁忌枠(EXランク)「終焉喰らいのニーズヘッグ」を引きずり出す。
顕現した小さな漆黒の幼竜が放つ絶対的な格の前に、ガルシアの業火竜は恐怖で失禁し平伏。立場は一瞬にして逆転した。幼竜を「クロ」と名付け、魂の契約を結んだアレンは、神と確率が支配するクソゲーのような世界を己の執念で塗り替えるべく、大聖堂を後にするのだった。