あらすじ
高校二年生の夏。
私たちは、普通の女子高生だった。
授業を受けて、くだらないことで笑って、放課後にはスマホで動画を撮る。 何年後かに見返すつもりだった、ただの高校生活の記録。
その中に、一つだけ説明できない動画がある。
撮った覚えがない。 保存した覚えもない。
なのに、私たちのスマホには確かに残っていた。
動画には、放課後の教室で笑う私たちが映っている。
そして、画面の端にいる。
私たちが誰も知らない女の子が。
最初は、誰かのいたずらだと思った。
けれど動画を調べるほど、私たちの記憶と記録が噛み合わなくなっていく。
「この日、誰と一緒にいた?」
「……二人人、だよね?」
「じゃあ、この子は誰?」
写真。 動画。 メッセージ。 学校の記録。 友達の証言。
一つずつ確かめるたびに、私たちの「普通の高校生活」が崩れていく。
そして、あの動画を消そうとしたとき。
友達から、こんなメッセージが届いた。
『あの動画、消したよね?』
これは、高校二年生だった私たちが残した記録。
そして、私たちが最後まで思い出せなかった、あの夏の話。