あらすじ
生贄として禁足地の湖に身を投げたアヤメは、死ぬことができなかった。
彼女を救ったのは、山に住む人ならざる絵師・ナンテン。
だが、彼がアヤメを助けたのは善意ではない。
適当に優しくして、手懐けて、最後に利用する。
そのはずだった。
ところがアヤメは、想像以上にたくましかった。
荒れ果てた住居を掃除し、
飯を炊き、
山菜を採って町で売り、
「せっかく助かったんだから」と勝手に生活を立て直していく。
気づけば、人の暮らしも、人の心も知らなかったナンテンまで巻き込まれていた。
けれど、アヤメはまだ知らない。
自分が助けられた、本当の理由を。
ナンテンには、期限までに成し遂げなければならない計画があった。
期間限定の共同生活は、互いに予想もしなかった方向へと進んでいく。