あらすじ
「また、来世で」
愛する王子ユリウスを庇って命を落とした侯爵令嬢コートニーは、最期にそう約束した。
死後、赤い月を目指して泥の道を歩き、曼珠沙華の咲く野を越え、無数の鳥居をくぐって――彼女は本当に転生を果たす。
けれど、待っていたのは運命の恋の続きなどではなかった。
転生するたび、ユリウスとの関係は遠ざかっていく。
侯爵令嬢から男爵令嬢へ。
男爵令嬢から、名もなき平民へ。
ユリウスには前世の記憶がなく、コートニーが記憶を取り戻す時期もどんどん遅くなる。
そして、四度目となる今世。
二十歳になったコートニーは、ギルテール王国第二王子直属の特務魔法剣士隊『銀薔薇の刃』に所属する魔法剣士になっていた。
そんな彼女に命じられたのは、捕虜となった敵国の王子から情報を聞き出すこと。
黒髪に、金色の瞳。
その男の名は、ユリウス。
「嘘でしょ……」
かつて命を懸けて愛した男は、ついに敵になっていた。
しかも今世のユリウスは前世の記憶など欠片もなく、コートニーを敵国の危険な女としか思っていない。
おまけにコートニーのほうも、昔ほど彼を愛している気がしない。
それでも、もう次の人生になんて行きたくない。
このまま転生を繰り返したら、次こそ人間に生まれる保証すらないのだから。
だからコートニーは決意する。
今世で、この転生を最後にする。
――これは、「また来世で」と約束した二人が、何度ものすれ違いの果てに、初めて「今世のあなた」に恋をする物語。
全30話です。