あらすじ
バラデア王国で育った少女・クレアは、幼馴染の勇者一行と共に魔王討伐に挑んだ。だが待っていたのは、討伐対象であるはずの魔王・レイヴァンからの「俺と一緒に来てほしい」という身勝手な要求だった。
「もう俺から離れないで」
戸惑うクレアを、レイヴァンは"知っている"ような瞳で見つめる。彼の城、彼の想い、そして——クレアのために用意されたという、そっくりそのままの"我が家"。
やがて知らされる真実。レイヴァンが本当に愛していたのは、遥か昔に死んだ「前世のクレア」だった。今のクレアは、その生まれ変わり。
優しくされるたび、大切にされるたび、心のどこかに影が差す。
——この人が見ているのは、本当に「私」なの?
顔も名前も同じ。だけど、記憶も、時間も、共に過ごした日々も持たない「今世の私」。
誰よりも近くて、誰よりも敵わない——前世の自分という、最大のライバル。
生まれ変わっても消えない愛と、消えてくれない過去。
クレアはレイヴァンの隣に立つ資格を、自分自身の手で掴み取れるのか。