あらすじ
死亡診断から二時間後、遺体の傷口が治り始めた。
王立医学院の比較解剖学者エル・ヴァルグレンは、助手とともに原因不明の遺体を調べ始める。
切れば増える。潰しても増える。
古い傷には反応せず、死の直前についた傷だけを修復し続ける。
病気なのか。生物なのか。
それとも、この身体にとって「死」そのものが傷なのか。
調査の先でエルが辿り着くのは、異なる法則に支配された辺境の「断界」。
そこで彼は、死者だけでなく、人間そのものの在り方を変えていく異常と向き合うことになる。
未知を観測し、仮説を立て、失敗しながら世界の法則を解き明かしていく、異常生物学ダークファンタジー。