あらすじ
「十一年前、死んだはずの少年には――死亡記録がなかった。」
十一年前、雨宮美月は弟・蒼太を事故で亡くした。
――そう、信じていた。
深夜のコンビニで働く神崎遼の前に、毎晩のように現れる美月。
彼女は十一年前に亡くなった弟の話をする。
だが、遼がその「事故」を調べ始めると、奇妙な事実が浮かび上がる。
蒼太の死亡記録が、どこにも存在しない。
新聞にも、警察にも、行政の記録にも。
まるで、その事故そのものが最初から存在しなかったかのように。
そして遼には、もうひとつ誰にも言えない秘密があった。
過去のセーブポイントへ戻り、人生を「ロード」する力。
失敗すれば、やり直せる。
間違えれば、別の未来を選べる。
ただし――ロードするたびに、遼自身の記憶が少しずつ消えていく。
蒼太は本当に死んだのか。
なぜ美月は、存在しない事故を信じ続けているのか。
そして十一年前、遼自身は蒼太と出会っていたのではないか。
真相を追うほど、失われていく記憶。
最後に残されたロードは、たった一回。
過去を変えるのか。
それとも、過去を抱えたまま明日へ進むのか。
これは、失った少年を探す物語。
そして――過去から逃げ続けた一人の青年が、自分自身と向き合う物語。