あらすじ
戦争で重傷を負い、帰郷したベルティエ伯爵家の青年・アルノー。しかし、待っていたのは当主である姉・エレオノールによって、領地内の森へ追いやられる現実だった。
森の警備という仕事に納得できぬまま赴いたアルノーは、そこで暮らすルイという穏やかな青年と出会う。共に過ごす中、とある出来事をきっかけに、ルイが人の姿をした竜――「竜の一族」であることが発覚。それを機に、アルノーは森が持つ「異様な豊かさ」の秘密へと近づいていく。
一方、姉のエレオノールは、ベルティエ領の資源を狙う隣領のメルセンヌ伯爵と政治的に激しく対立していた。奸計を用いて陥れようとするメルセンヌに、冷徹に立ち向かうエレオノール。そこへ、思惑を秘めて干渉してきたのは、国の最高権力である王族のセレストであった……。
竜が住まう不思議な森の利権を巡り、貴族や王族の間で陰謀と駆け引きが交錯する。
傷を負った青年の再生、竜と人間の絆、そして人間同士の政治的な軋轢。
ひとつの森を舞台に、様々な思惑が繰り広げられる本格ファンタジー群像劇。