あらすじ

「俺は誓いません。……でも、離れません」 ——誓いが絶対の国で、ただ一人、誓わずに仕える従士がいた。 ****** 北の辺境伯家の一人息子エルドと、三つ年上の従士レイフ。年若い二人は、川辺で火を囲み、剣を打ち合っていた。いつかレイフが叙任を受け、正式に主従の誓いを結ぶ。そんな当たり前の明日を、二人とも疑わなかった。 その明日は、一夜で燃えた。 二つの家の和睦の宴。破れないはずの誓いに守られた広間で、誰ひとり誓いを破らぬまま、何もかもが裏切られた。父も母も家も失い、逆賊の子となった十三歳のエルドを背負って、レイフは燃える城から雪の中へ逃げる。 口の悪い女マグダに拾われ、剣と生き方を叩きこまれて七年。青年となったエルドは、あの夜の真実を追いはじめる。 だが、奪われたものを取り戻すはずの旅が、エルドの中から、かけがえのないものを少しずつ奪っていく。何を失ったのかは、本人には分からない。分かるのは、隣を歩く者だけだ。 破れない誓いの国で、破れる約束だけを頼りに進む、三人の物語。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/09/20
  • 現在の作品誓いを断つ者【第二部完結・第三部 連載開始します!】