あらすじ
誰もが、生まれながらに一つの「才能」を持つ世界。
十五歳になると成人の儀を迎え、鑑定石によって自分の才能と、その等級が明らかになる。
山奥の小さな村で暮らす少年、レンもまた、十五歳の成人の儀を迎えた。
農作業が好きで、体力だけは人一倍。
村の外の世界をほとんど知らないレンは、自分にはどんな才能があるのだろうと楽しみにしていた。
そして、鑑定石に表示されたレンの才能は――
【改良】
だが、その下にあるはずの等級が表示されていなかった。
鑑定官が何度試しても結果は同じ。
「……【改良】という才能は、私も知りません」
誰にも知られていない、等級すら存在しない謎の才能。
けれどレンは、深く悩むこともなく首を傾げる。
「【改良】って、何なんだ?」
それが、自分の才能が秘めた力を知る最初の一歩だった。
やがてレンは、ひょんなことから村の外へ出ることになる。
新しい土地。
初めて見る人々。
未知の魔物。
そして、世界のどこかに存在すると伝えられる、雲の上の浮遊島。
自分の才能が何なのかも分からないまま、レンは旅の中でさまざまなものに触れていく。
――才能とは、いったい何なのか。
「改良」という力は、レンとこの世界をどこまで変えていくのか。
これは、世間知らずな少年が、仲間たちと出会い、旅をし、少しずつ世界を広げていく物語。