あらすじ
「最近、いい感じの人がいる」
三十歳の会社員・如月真は、友人につい見栄を張ってしまった。
そんな相手はいない。なのに、二人そろって食事に招待されてしまう。
困り果てて帰宅した真を待っていたのは、見知らぬ美女だった。
「俺だよ。五年後の」
顔も声もどう見ても女性。
なのに、くつろぎ方も、口の悪さも、人に知られたくない思い出まで、自分と同じ。
混乱の末、真はひとつの頼み事をする。
――一日だけ、俺の恋人のふりをしてくれないか。
好物も、癖も、照れ隠しも知り尽くした相手だ。
恋人役としては、これ以上ないはずだった。
ただし、距離が近い。
外では愛想がよすぎる。
五年分の余裕でからかってくるくせに、こちらが本気で褒めると、急に目をそらす。
……なんで俺が、俺に照れてるんだ。
一日限定の恋人役は終わっても、なぜか共同生活は続いていく。
同じ自分のはずなのに、一緒にいるほど知らない顔が増えていく。
世話焼きで、見栄っ張りで、甘えるのが下手な二人の、ちょっと奇妙な社会人ラブコメ。