あらすじ
「自分とは一体何なのか。」
そんなことを、本気で考えたことがあるだろうか。
十七歳の高校生・真白朝陽が目を覚ましたのは、見覚えのない古代遺跡だった。
昨日までいたはずの日本はどこにもない。
言葉も、文化も、常識も違う。
魔法が存在し、魔物が闊歩し、冒険者たちが命を懸けて生きる世界――ムンドゥス。
なぜ自分はここにいるのか。
どうすれば日本へ帰れるのか。
何一つ分からないまま、朝陽はこの世界で生きていくことになる。
初めて見る街。
初めて使う魔法。
冒険者としての日々。
旅先で出会う人々。
共に笑い、食べ、戦い、少しずつ仲間になっていく者たち。
知らない世界は、いつしか朝陽にとって大切な場所へと変わっていく。
けれど旅を続けるほど、朝陽はこの世界に残された小さな違和感に触れていく。
語り継がれてきた歴史。
五千年前から残る遺跡。
眠り続けていた一人の少女。
そして、なぜかこの世界に存在する、自分では知らないはずの痕跡。
「俺は、一体何者なんだ?」
やがてその問いは、朝陽だけではなく、仲間たちを、世界を、そして五千年にわたる歴史そのものを巻き込んでいく。
これは、選ばれた英雄の物語ではない。
過去から何を受け取り、
何を終わらせ、
何を未来へ残すのか。
それぞれの答えを探して歩き続ける者たちの物語。
――『過去と未来を繋ぐ者達へ』。