あらすじ
灯火を継ぎ、氷を渡り、死者の日を越えて。ユズキとティロルの旅は、幾重もの時代が折り重なる国トルコへ。
案内人は、ディアノールが遺した共鳴観測装置、クレイド。神でも天使でも人間でもない、掌サイズの小さな観測者。感情という言葉さえ、まだうまく使えないその存在が、旅を通して、少しずつ、何かを獲得していく。
大聖堂とモスクが同じ壁を分かち合う街、地下深くに広がる避難都市、人類最古の祈りの跡。幾重にも積み重なった時間の層を辿るうち、ユズキの体の中に眠っていた不調が、これまでにない速さで、姿を現し始める。
エフェソスで訪れた、これまでで最大の恐怖。そしてネムルト山、合体した神々の頭部の前で、ついに明かされる、不調の正体。
胸に抱き続けてきた、あの小さな木片。それは本当に、ただのお守りだったのか。