あらすじ
軍の荷扱いとして働くイリナが命じられたのは、ひとつの竜の卵を運ぶことだった。
だが、その卵は処分されるはずの「荷物」だった。
イリナは囚人番号38の男、セトとともに卵を連れ出す。
孵化した幼竜サイラを本来の世界へ帰すため、目指すのは北に残された巨大な門「竜門」。
戦争に利用され、首輪をつけられた竜たち。
故郷を奪われた人々。
竜を兵器として使い続けようとする帝国。
そして竜門を開くために、セトが支払わなければならない代償。
それは、イリナとの記憶だった。
助ければ、忘れられる。
それでも二人は、竜を帰すための旅を続ける。
これは、失ったものを取り戻す物語ではない。
失われたあとにも残る「明日」を選ぶ物語。