あらすじ
「……ふむ、ただの肉塊の構造変化に過ぎないな」
仮想19世紀末、霧の街ロンドン。
スコットランドヤードの特別顧問ノエル・カーライル(ノア)は、世界が『青い数式』と『物理計算』にしか見えない偏屈な天才青年。
冷酷で人間味ゼロ、全てを「データ」として処理してきた彼だったが……密室殺人事件の現場で出会った18歳の実直な花屋・アリシアに、すべての計算を狂わされることになる。
「あなた、顔色がドブ色じゃない! ちゃんと休みなさい!」
冷血なノアに怖気づくどころか、強引に冷えたハンカチを押し付け、雑に、けれど心から心配してくるアリシア。
不機嫌そうに「騒々しい構造体」「使い勝手のいい手足」と自分に言い訳しながらも、ノアは彼女の手を残されたハンカチを胸ポケット深くへ仕舞い込んでしまい——。
手足として利用するはずだった。
自分は、都合のいい計算機で、感情なんて理解できるはずがなかった。
なのに——高熱にうなされれば彼女の手首にすがるように何度も唇を寄せ、「ノアって、私のこと好きなの?」と逃げ場なく迫られれば、脳内計算回路が音を立てて強制フリーズ!
(僕がこれを言ったら、もう後戻りはできないんだぞ……っ)
計算の中に逃げ込んでいた天才顧問が、プライドも理屈もすべて投げ捨てて降伏する!
冷血なツンデレ男が、爆速・直球な花屋の少女に恋の王手をかけられて全落ちする、甘々のミステリー執着ラブコメディ!