あらすじ
昨日渡れた枝が、今日は道とは限らない。
巨大な世界樹の上に、人々が暮らす世界。
フローラは、枝や葉に遮られない空を見ることに憧れていた。自分の観測と予測で、頂へ続く道を見つけたい。けれど登攀の選抜で届いたのは、隊の指揮を任せることはできないという結果だった。
それでも、頂へ行く道まで閉ざされたわけではない。
足場を身体で確かめる幼馴染のユイノと、進むか退くかを決めるハノル。異なる仕事を担う三人は、いつもの朝食の場所を離れ、上へと踏み出す。
水が満ちる樹洞。声をさらう横風。誰かが一歩を置くたび、遠くまで動く枝。
生きた世界樹では、昨日の正解が今日も通じるとは限らない。
役に立ちたい。自分の判断を認めてほしい。
その焦りが、フローラに目の前の違いを見落とさせていく。
限りある食料と、帰るための道。
そして、ユイノと並んで見たい、頂の景色。
これは、予測だけでは選べない道を、三人で探していく冒険の物語。