あらすじ
天下人・豊臣秀吉、死す。
「露と落ち 露と消えにし 我が身かな――」
伏見城で生涯を終えたはずの秀吉が次に目を覚ましたのは、剣と魔法の異世界だった。
宿ったのは、交易都市の小さな商店で使い走りをしていた十八歳の青年の身体。
金もない。
地位もない。
家臣もいない。
もちろん、鑑定も収納も魔法チートもない。
あるのは、足軽から天下人まで成り上がった一人の男の経験だけ。
人の欲を読み、懐へ入り、利益を分け、使える者を見抜く。
売れ残った果物ひとつでも、売る相手と場所を変えれば銭になる。
「天下はもうええ。今度は、面白う生きようか」
銭一枚から始まった小さな商いは、やがて露店となり、店となり、商会となり、街道と交易路をつないでいく。
商人、職人、農民、冒険者、貴族。
誰もが秀吉の商いへ巻き込まれ、気づけば王より多くの人間が彼の一言で動いていた。
一度目の人生では天下を取った。
二度目の人生で狙うのは――商いの天下。
豊臣秀吉本人が、知略と人たらしだけで異世界を成り上がる商業ファンタジー。