あらすじ
日本神話で、最初に捨てられた神――ヒルコ。
神社の宝物庫で見つかったのは、約四千年前のものとされる一本の日本刀と謎の記録だった。
刀剣と古代史に惹かれる剣士・黄泉坂結弦。
そして、ヒルコを祖先に持ち、不思議な「先見」の力を受け継ぐ高校生・高浜ひかり。
ヒルコの痕跡を追っていた二人は、怪異に巻き込まれ、はるか太古の大八島へと流れ着く。
そこで出会ったのは、神話とはまるで違う少年ヒルコだった。
大陸を追われ、わずかな一族を率いて海を渡ってきた海神族。
鉄を知らぬ人々。
争い合う数多の部族。
そして、まだ何者でもないヒルコ、アハシマ、アマテラスたち。
結弦が持ち込んだ剣と製鉄の技術は、やがて海神族の運命を変えていく。
小さな一族は人を集め、土地を得て、国へと姿を変え始める。
しかし、その中心には、後の神話から名を消される少年がいた。
なぜヒルコは捨てられた神となったのか。
なぜ彼の歩んだ歴史は残らなかったのか。
これは神話になる前の時代を生きた人々と、歴史から消された一人の英雄をめぐる物語。