あらすじ

記憶を保存する仕事がある。 中央記録局・第六保存室。 そこでは今日も、誰かが覚えていた些細な出来事を、紙と端末に残している。 「雨の日だけ窓側の席に座った」 「電車を見終わってから、話の続きをした」 「傘を閉じるのが早かった」 大したことではない。 けれど、誰かが覚えているなら、記録する。 新人職員ナギは、そこで初めて知る。 記憶は一つではない。 同じ人を見ても、覚えていることは人によって違う。 そして、この世界には「保持者」という制度がある。 誰かの存在を引き受ける人。 そして、引き受ける人がいない人。 その記録を扱う主任リオナには、どうしても忘れられない名前があった。 ――ノア。 この世界で、人が人として残る条件とは何なのか。 静かな記録から始まる、記憶と存在の物語。

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カクヨム
カクヨム2026/09/20
  • 現在の作品天秤の選択 ―記憶の輪郭―