あらすじ

雨の日、松岡慎吾は見知らぬ古本屋に迷い込んだ。 看板には「いろんな本あり〼」。 店の名前は読めない。 白髪の店主は無愛想で、レジの代わりにそろばんを使っている。 そこで慎吾が手にしたのは、クリームソーダが描かれた一冊の本だった。 家に帰って表紙を見ると、そこにはいつの間にか『かもなんばんをたべたひ』というタイトルがある。 書かれていたのは、天ぷらうどんを食べるつもりだった子どもが、初めて鴨南蛮を食べた日の話。 それだけだった。 その後も、雨が降るたび慎吾はその本屋へ足を運ぶ。 24色の色鉛筆。 コーンスープ。 たい焼き。 ネギを入れすぎた冷奴。 手にする本に描かれているのは、誰かの人生を変えるような大事件ではない。 どうでもいいと言ってしまえば、それまでの小さな出来事ばかり。 それなのに、なぜか忘れない。 人生は変わらない。 それでも、なぜか忘れない本がある。 これは、雨の日に出会った不思議な古本屋「蒔城堂」と、そこに並ぶ少し変わった本の物語。

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小説を読もう2026/09/20
  • 現在の作品蒔城堂