あらすじ
『世界(ジージエ)』という名の亀の上に広がる世界。そこに広がるのは、『時』という概念が存在しない世界だった。
日時計のように環状に並ぶ二十四の島と、中心に聳える天帝の島。
これが夜蛍周鼎と兄・夜狼華蓋が知り得る世界の範囲だった。
周鼎が九歳のころ、島にかかる影がいつしか変化していることに気づく。世界に疑問を持つことは天帝への不遜であったが、知識欲を止めることはできない。心臓の鼓動に合わせて何時間も一定のリズムで、常に時間を数え続けていく。ただし会話能力は犠牲になった……
六年後は、天帝の代替わりの年。もうすぐ十歳になる子供は、天帝の候補者として島から一人選抜される。周鼎は天帝の候補者に選ばれ、華蓋もまた例外である二十五番目の候補者に選抜される。
十五歳、天帝の島で共同生活をすることになる候補者たち。しかし、華蓋は島に行くことを断り、甲羅の区画の外を目指して旅に出る。
候補者の一人、音楽の天才・暁鸙美凰は楽器の開発を進めていた。彼女は、周鼎に节拍機(メトロノーム)を教える。その機械を基に、周鼎は自身のカウントを機械に行ってもらえないかと考え始め、『時』を計る機械の作成に進んでいく。
夜華蓋は、隣の区画、さらに隣へと足を進めていく。そして『世界』の外へと向かう。
華蓋は辿り着いた世界の果てで、『常に鼓動を続ける機械』を拾い、弟の元に帰った。
周鼎はそれを核にして、時間と暦を表示できる『時計』を生み出すのだった。