あらすじ
「私が、この国の聖王として立つことを、ここに誓う」
その日、俺は王になった。
……ただし、誰にも知られてはいけない秘密を抱えたまま。
十年前、老騎士エクターに拾われた俺は、アーサーという名を与えられ、男として育てられた。
才能はない。
血筋もわからない。
剣だって特別強いわけじゃない。
それでも、仲間たちと共に騎士を目指しながら、目立たず静かに生きていく。
それが俺の望みだった。
ところが、王を失ったブリタニアで、古の王位選定儀式「聖泉の儀」が行われることになる。
そして誰にも期待されていなかった俺を、聖泉は王として選んだ。
突然与えられた王の座。
聖剣エクスカリバー。
国を背負う責任。
迫り来る諸侯たちの思惑。
そして何より、王になったことで隠し通すことが難しくなっていく、自分自身の秘密。
平凡な騎士見習いだった「俺」は、王として「私」を演じなければならない。
これは、少女であることを隠して生きてきた一人の騎士が、
聖王として国を導きながら、自分自身の生き方を探していく物語。