あらすじ
むかしむかし――ではなく、今もどこかの空に。
雲より高いところには、古い古い都市が浮かんでいるという。
そこには、誰も読めない文字。
夜になると歌いだす石碑。
雨の代わりに花を降らせる塔。
そして、いつからそこにあるのか誰も知らない、大きな時計。
そんな古代都市を探して、空を旅する男がひとり。
名前はマシェンカ・ルナ・アイシュリン。
古いものと遺跡が大好きな、ちょっと変わった旅人だ。
そしてある日、彼は都市の片隅で一人の吟遊詩人と出会う。
三つ編みを揺らし、魔法の杖を手にした男。
その名は、アーシャ・チャイルド・ペンドルトン。
「君、この街のことを知っているのかい?」
「知らないよ。でも、知らないから歌えるんだ」
こうして出会った、遺跡マニアと吟遊詩人。
二人は空中古代都市を歩きながら、
奇妙な遺跡を見つけたり、
変わった生き物と仲良くなったり、
時には何の役にも立たない古代の道具を拾ったり。
今日もまた、空のどこかで、
誰も知らない小さな物語が始まる。
これは、そんな二人の、
ちょっぴり不思議で、どこか懐かしい旅のお話。