あらすじ
「どうせ結婚したら同じ家の金になるんだからいいだろ?」
婚約者ローランドは、そう言って私の持ち物をたびたび自分の判断で使っていた。困っている友人へ馬車を貸したり、私が用意した物を別の相手へ回したり。
少し距離感がおかしいとは思っていたけれど、悪気があるわけではない。
結婚すれば、きちんと話し合っていけばいい。
伯爵令嬢アメリアは、そう考えていた。
けれどある日、結婚後に暮らす屋敷の費用を確認していた私は、自分の口座から金貨八百枚もの大金が消えていることに気づく。
「結婚はいたしませんので、使った分は全額お返しくださいませ」
これは、婚約者に自分の財産を勝手に使われた伯爵令嬢が、結婚そのものを取りやめるまでのお話。