あらすじ

怪異にも、言い分がある。 古書と酒が並ぶ、風変わりな店――籠目屋商店。 その女主人・宇喜田百合には、もう一つの顔がある。 人には相談できない奇妙な悩みを引き受ける、何でも屋だ。 誰もいない部屋から聞こえる声。 捨てても戻ってくる品。 死んだ者が残した、忘れられない気配。 籠目屋へ持ち込まれる依頼の裏には、いつも人ならざるものの影がある。 ある出来事をきっかけに百合と出会った藤原六郎は、この世ならざるものを感じ取る青年だった。 怪異を前にしても動じず、その奥にあるものを見つめようとする百合。 見えてしまうからこそ恐れながらも、彼女とともに怪異を追う六郎。 二人が探すのは、怪異を祓う方法ではない。 なぜ、それは現れたのか。 なぜ、そこに残り続けているのか。 未練、後悔、罪、そして祈り。 人が言葉にできなかった想いに触れたとき、怪異は初めてその本当の姿を見せる。 けれど、すべての怪異が救いを望んでいるとは限らない。 季節の果てに、なお残るもの。 移ろう七十二候とともに、人と怪異のあわいを巡る連作ホラー。 ――残ったものには、残った理由がある。

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カクヨム
カクヨム2026/09/19
  • 現在の作品怪異七十二候