あらすじ
月の光の下でだけ店を開き、人々の記憶を糸に変えて服を仕立てる「月下の仕立て屋」。その服を着て眠れば、忘れかけていた大切な思い出に、夢の中でもう一度会えるという。
戦争で家族を失い、村はずれの家で二人暮らしをする幼なじみのジルとレヴィ。ある夕暮れ、孤児院で暮らす少年ラドゥが、仕立て屋の物語を携えて遊びにやってくる。
ジルは少年のためにパジャマを縫い、レヴィは温かな夕食を用意する。
「これを着て眠ったら、父さんと母さんに会えるかな?」
月明かりの下、三人が過ごす、ささやかで優しい一夜の物語。
**作者より**
本作は、長編小説『依り代は神を抱(いだ)く』の登場人物たちを、異なる境遇に置いて描いたIFスピンオフです。
本編とは設定が異なる独立した短編ですので、こちらからでもお読みいただけます。
ジル、レヴィ、ラドゥの本来の物語にも興味を持っていただけましたら、ぜひ『依り代は神を抱(いだ)く』を覗いてみてください。
https://estar.jp/novels/26136524