あらすじ
主人公には、かつての教え子がいた。
教え子は幼い頃から病気を抱え、家族の献身的な看病を受けて育った。
家族にとって、教え子の病気は苦しみであると同時に、互いをつなぎ止める中心でもあった。
教え子自身もまた、病人でいることで愛され、必要とされる感覚から逃れられずにいた。
やがて教え子は、病気を理解し支えてくれるパートナーと出会う。
二人は互いを救うように見えたが、実際には、教え子は看病されることで、パートナーは看病することで、相手を必要とし続けていた。
治療費や生活費が増えるにつれ、二人は金に困窮する。
パートナーは教え子を助けるため、裏社会とつながる男から金を借りる。
男は金を貸す代わりに、教え子の病状や家族関係を利用し、二人の生活に入り込んでいく。
家族の愛情、パートナーとの依存、病気、金、裏社会。
それぞれは別の問題ではなかった。
病気を中心に成立していた愛情が、治療費という金を必要とし、金を得るための依存が、裏社会との関係を生んだ。
その関係がさらに教え子を病人として縛り、家族とパートナーの依存を深めていった。
ある日、教え子は命を落とす。
周囲は「病気だったから」と受け止める。
しかし主人公だけは納得できない。
教え子の遺した工具――⚒️🔧――を手に、主人公は死の背景を調べ始める。
そこには、
家族の愛情
↓
パートナーとの依存
↓
病気
↓
金
↓
裏社会
人間が何かを欲しがる/失う/縋る/隠す
という一本の線で繋がってる。