あらすじ

――『瀏亮に響く光子(りゅうりょうにひびくこうし)』

世界自然遺産の島、奄美大島。
巨大商社の幹部候補・光弥子は、逃げるようにこの離島へ来た。双子の姉と比べられた生家、どこまでも追いかけてくる噂、そして人には見せられない、胸に刻まれた白い痕――過去のすべてから、遠ざかるように。

そんな彼女の前に現れたのは、緋色の瞳を偏光レンズに隠した赤毛の男・カイト。飄々と笑うその裏で、彼は自分が何者かを、決して明かさない。

ふたりが近づくほどに、奇妙なことが起こりはじめる。忍び寄る不審な影。カイトの過去を追う者たち。そして、光弥子が身を置く場所に潜む、誰も知らない思惑。穏やかな島の日々のすぐ外側で、静かに、何かが動いている。

だが、光弥子は守られるだけの女ではない。
馬を駆り、弓を引き、剣を執る――剣道三段。危機に立てば、カイトを救うのは彼女の方だ。逃げるのではなく、向き合う。ふたりは互いの背を預け合いながら、少しずつ、謎の核心へと踏み込んでいく。

その果てで気づく。二千年前、隕鉄に刻まれた一対の記憶。まるで同じ座標で再び巡り合うよう、最初から仕組まれていたかのような――これは、ふたりの宿命だ。

奄美と信州・伊那谷、大島紬と赤蕎麦、御嶽に眠る龍の鱗。
伝承と現代科学が響き合う、恋と宿命のサスペンス。

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アルファポリス
アルファポリス2026/09/19
  • 現在の作品瀏亮に響く光子~記憶の座標~