あらすじ
大学生の朝倉湊は、幼なじみの七瀬から奇妙な相談を受ける。
「昨日の夜、一時間だけ記憶がないの」
午後11時から午前0時まで。七瀬には、その一時間だけ記憶がなかった。
ところが、スマートフォンには午前0時ちょうどに撮影された一枚の写真が残っていた。
そこに写っていたのは、十年前に廃校となった小学校と、暗闇の中に立つ人影。そして写真の裏には、七瀬自身の筆跡で一言だけ書かれていた。
――「次は、あなたの番」
調べていくうちに、十年前、その場所で一人の少女が失踪していたことが判明する。
なぜ七瀬は事件のことを知らないはずなのに、廃校を訪れていたのか。
なぜ彼女は一時間だけ記憶を失っているのか。
そして、十年前の失踪事件と現在の出来事には、どんなつながりがあるのか。
湊は七瀬とともに過去の事件を追い始める。
しかし、二人が真実に近づくほど、七瀬の中に眠っていた記憶が少しずつ蘇っていく。
そして午前0時。
最後の記憶が戻ったとき、二人は十年間隠されていた「ある事実」にたどり着く。
すべての謎が解けたように思えた、その瞬間。
湊のスマートフォンに、一枚の写真が届く。
撮影日時は――十年前。
写真に写っていたのは、廃校の前に立つ二人の子どもだった。
そのうち一人は、確かに湊だった。
そして、もう一人は――。
物語はそこで終わる。
ただ、写真の隅に残された小さな時計だけが、午前0時を指していた。