あらすじ
「――お前は、この街の空を見上げたことがあるか?」
数キロ上空のコンクリート底面が天井となり、有毒な澱が垂れ下がる垂直閉鎖都市・第十三降下口。
そこは、上層の顔色を窺い、互いを監視し合う「同調圧力の泥沼」だった。誰もが本当の空も、かつての記憶も忘却し、ただ息を潜めて生きている。
だが、ルキカだけは違った。
他人にどう思われようと知ったことではない。彼が求めているのは、かつて最上層に囚われ、消された「たった一人の存在」が遺した真実の断片だけだ。
都市全体を縛る理不尽なルール(暗号)を、冷徹な知性と剥き出しの狂気でハックし、ルキカは誰も登れぬ最上層へと這い上がる――。
感情を排したハードボイルドで描く、狂気とロジックのダークロマン。