あらすじ
七千年の時をかけて、人類は星の寿命に干渉する技術を手に入れた。
星を延命し、文明を救い、滅びゆく世界に未来を与える者たち。彼らは「葬士」と呼ばれていた。
その頂点に立つのは、四人の天才。救える命を救おうとする男。命の終わりを記録する女。宇宙の法則を解き明かそうとする理論家。無数の命の行方を決める政治家。
彼らの技術によって、数え切れない星々が救われてきた。
だがある日、銀河の中心にある巨大な星が、既存の理論では説明できない異常を示し始める。調査の果てに四人がたどり着いたのは、人類の記録から抜け落ちた場所『無星域』
そこには、二十七年前に姿を消した第五の天才の痕跡が残されていた。
なぜ彼は消えたのか。人類は何を見落としてきたのか。そして、一つの星を救うことは、本当に正しいことなのか。
やがて星をめぐる技術は文明を揺るがし、四人の信念は衝突し、銀河全体を巻き込む戦争へと向かっていく。
これは、宇宙の謎を解き明かすだけの物語ではない。
救えた命と救えなかった命。正しさと責任。記録から消えた人々と真実を独占した天才たち。
星の葬儀を続けてきた人間たちが、七千年の文明そのものを問い直す、壮大なSF群像劇。