あらすじ

出張から戻った土曜の夜、玄関に妹のスニーカーがなかった。 「薫子。菫が、うちの子じゃないかもしれない。」 私が日本を離れていた1週間のうちに、一人の女子大生が本社ビルの前で母の足にすがり、「私が本当の娘です」と泣いたという。生まれた日に産院で取り替えられた、と。手にしていたのは、祖母が誂え、退院の日には妹の枕元から消えていたベビーリング。 両親は怖くて鑑定もできず、その子を別宅に住まわせていた。 紺の小箱を開けたとき、五歳の夜がよみがえる。母のコートの下から見た、赤ちゃんを抱えて入ってきた入院着の女。隣の部屋まで妹を迎えに行った、自分の腕にかかる重さ。 翌日、妹は大学で私の婚約者を叩き、警察署にいた。婚約者の上着を肩にかけて隣に座っていたのは、あの名乗り手。彼は廊下じゅうに聞こえる声で言う。 「いつまでその偽者を妹って呼ぶつもり?」 その夜、妹はうさぎのぬいぐるみを抱えて私のベッドにもぐりこみ、「もし本当に違ったら」と言いかけた。 「もしもはない。」 理由は、まだ言えない。鑑定の結果が出るのは、3日後。 全9話。 小説家になろうにも掲載します。

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エブリスタ
エブリスタ2026/10/09
  • 現在の作品五歳の私が、取り替えられた妹をこっそり取り替え直した。20年後、「私が本物の娘です」と泣く子が来たので、鑑定書を全員の前で開いてあげた