あらすじ
「君は、この城で何をしていたんだ?」
魔力の弱さを理由に、王子から婚約を破棄された伯爵令嬢リゼ。三年間続けてきた城の魔道具の点検記録を渡し、港町へ身を寄せる。
そこで始めた修理の仕事には、代金が支払われ、次の約束ができた。商会の青年ノアに助けられながら、自分の店を持とうと考え始めた頃、城から使者が訪れる。
「冷却庫と給湯器が停止しました。直ちにお戻りください」
けれど、明日の朝までに直すと約束した船がある。
リゼは工具箱へ伸ばした手を止め、紙とペンを用意した。
「修理の日程と、費用を書きます」