あらすじ
「――お前は死んだのだ」
謎の声とともに目を覚ましたカナタがいたのは、草木すらまともに生えない荒野だった。
水も食料もなく、何日も荒野をさまよい、死を覚悟したカナタ。
そんな彼を救ったのは、人間ではなく一人のダークエルフだった。
そこは、人間との戦争に敗れた魔族たちが追いやられた死の土地『死遂荒野』。
本来なら人間が生きていられないほど魔素濃度の高い土地で、なぜかカナタだけは平然と生きていた。
そしてアウラとの生活の中で、カナタには三百年前の魔王すら超えるほどの膨大な魔力が眠っていることが判明する。
――しかし。
「お前に魔法は向いていないようだ」
魔王以上の魔力を持ちながら、カナタは簡単な魔法一つ使うことができなかった。
膨大な魔力。
魔法を使えない身体。
そして、人間でありながら魔族に救われたカナタ。
やがて彼は、この世界で人間と魔族の真実を知ることになる。
これは、何も知らず異世界へやってきた一人の人間が、自分の力と生きる意味を見つけていく物語。