あらすじ
「10/12 あかり 誕生日 定時退社」
娘の六歳の誕生日。定時で帰るはずだった夜、急な異動の引き継ぎで会議室に残っていた課長・保科錬は、足もとの床が消えて、別の世界へ落ちた。
行き着いた先は、魔王軍の補給庫。誰にも期待されていない、窓際の第七部隊だ。
そこへ現れた魔王は、五年前に会社を辞めた、錬の元部下だった。
二十八だったはずの男が、五十に近い顔で眼鏡を押し上げる。
「お久しぶりです、課長」
元部下の魔王は、錬に頼む。自分を倒せるチームを、作ってほしい、と。
依頼を果たせば、元の世界の、出た一分後へ帰れる。期限は、雪解けまで。
けれど錬には、何の力も与えられなかった。剣も、魔法も、使えない。
できるのは、聞くこと。分けること。任せること。
帳面が終わらない事務のフィナ。多くを語らない古参兵ガーラント。精鋭から落とされた術師ミレイユ。職業の欄が空白の少年アルト。
魔王に放っておかれた四人と、戦わない課長が、魔王を倒すチームになるまでの物語。
軍の号令は、なぜか「ナルハヤ」。
そして魔王は、なぜ自分を倒させたいのか。
5W1H、優先順位、ホウレンソウ、見える化、振り返り――。錬が手帳に書く一行は、明日の職場でそのまま試せます。
(第一部と第二部の最後に、手法をまとめた「錬の手帳」を載せています)
第二部(第36話)まで書き上げてあります。