あらすじ
虐待を受け、外の世界をほとんど知らずに育った少年・篝。
そんな彼を救ったのは、新田亜舵という一人の男だった。
亜舵に連れられ、篝が辿り着いたのは「メランコリック」という宗教が築いた施設――人々から「楽園」と呼ばれる場所だった。
楽園では、教祖であるローズのもと、多くの信者たちが共同生活を送っている。
人々は祈り、働き、食事を共にする。
「希望を見つけ、自分自身と向き合うこと」
「自らの罪を認め、神に持てるものを捧げること」
それが、メランコリックの教えだった。
外の世界をほとんど知らない篝にとって、楽園での暮らしは初めて見るものばかりだった。
彼は特別な部屋「ロマーノ」を与えられ、そこで世話役の鳴海百々と出会う。
やがて庭の壁越しに、同年代の少年・零とも言葉を交わすようになる。
食事をする。
学校へ行く。
人と話す。
誰かに世話をされる。
これまで知らなかった日常を送りながら、篝は少しずつ楽園での生活に馴染んでいく。
けれど、その穏やかな日々の中には、いくつもの違和感が隠されていた。
なぜ篝は、この場所へ迎え入れられたのか。
なぜ彼には、特別な部屋が与えられたのか。
そして――この場所は、本当に「楽園」なのか。
少年が楽園で過ごす日々は、やがて大きくその姿を変えていく。
楽園崩壊まで、あと――