あらすじ
知的好奇心Sの弟 ✕ 対人スキルSの兄。天才兄弟の実験計画が、暴走する。
横浜に住む少年・篝叡二郎は、ある日、兄の奏一郎から突然『報告』をされる。
「俺、実は特殊能力があるんだ」
300人に1人が、何らかの特殊能力を持っていると言われている世界。
奏一郎は、9歳のとき発現した能力を、16歳になるまで家族にも隠していたのだ。
兄は、 全く悪びれない笑顔で続ける。
「人の顔を見ると、まるでその人になったみたいに、相手の感情や感覚が分かるんだ」
叡二郎はそんな兄を危険視する。
賢く、容姿も良く、コミュニケーション能力も高い奏一郎は、どこか他人を意のままに誘導しているようなところがある。
叡二郎は、そんな兄の能力を研究することに決め、様々な実験計画を立てる。
一つは、純粋な知的好奇心のため。
二つは、いつも余裕な兄がムカつくので、その笑顔が崩れる瞬間を見たいため。
「今から兄ちゃんをトルコに置き去りする。財布もスマホも取り上げて」
「いいよ、面白そう」
段々と規模が膨らんでいく実験に、振り回される家族・恋人。
しかし、誰もこの兄弟を止められない――。