あらすじ
妻を亡くして半年。二十八歳の魔法研究者エリオは、実験中の事故で、十四歳の春の教室に戻ってしまう。
そこには、まだ彼の妻ではないリーナがいた。かつては挨拶を交わすだけだった同級生。未来を知っているはずなのに、いまの彼女が何を考え、何に困っているのか、彼は知らない。
川風の吹く石段で食べる弁当。閉まりにくい教室の窓。仕事場で黙り込む父の背中。もう一度過ごす学校生活で見つけるのは、子どもの頃には見えなかった、身近な人たちの思いだった。
話を聞くこと、謝ること、誰かに頼ること。小さな会話を重ねながら、エリオは家族と、ひとりの少女に向き合っていく。
魔法のある地方都市を舞台に、春から次の春へと季節をたどる、全十話のやり直し恋愛物語。