あらすじ
Rain Crownの葉澄日和莉(はすみひより)は、少し天然で、どこか不思議な女の子。
誰かが落ち込んでいれば理由を聞くより先に隣へ座り、緊張している子には少しズレた言葉をかけ、気づけばその場の空気をやわらかくしている。
けれど本人に、その自覚はほとんどない。
「日和莉って優しいよね」
「天使みたい」
そう言われても、
「そうかな?」
と首を傾げるだけ。
そんな日和莉は、ある取材で「自分の武器は何ですか?」と聞かれ、初めて言葉に詰まる。
歌。
ダンス。
トーク。
ステージでの存在感。
周りには、それぞれ分かりやすい強みがある。
では、自分は?
みんなは「優しい」と言ってくれる。
でも、それは自分にとってあまりにも普通のことだった。
「これって、武器なのかな」
答えが見つからないまま、日和莉はいつものように誰かの隣に座る。
そんな彼女を、蒼井真姫は何も言わずに見ていた。
そして少しずつ、日和莉自身が気づいていなかった“自分がそこにいる意味”が、静かに輪郭を持ちはじめる。