あらすじ
レグナディア王国、アルフェリス公爵家令嬢リシェル。
王家の血を引く公爵令嬢として教育を受けながら、彼女は今日も屋敷を抜け出し、王都の市場を歩いていた。
人々と話し、物の値段を知り、街で何が起きているのかを自分の目で見る。
本人曰く、これも立派な「勉強」である。
だが、そのいつもの行動が彼女の運命を変えた。
ある日、アルフェリス公爵家が突如として反逆の罪に問われ、一族は粛清される。
たまたま屋敷を抜け出していたリシェルだけが生き残った。
追われる身となった彼女は王都を脱出し、逃げ込んだ森の奥で古代遺跡へと辿り着く。
そこで出会ったのは、数百年前に「堕天使」として封印された高位天使エルシェリア。
家族を奪われ、反逆者にされた少女。
使命を歪められ、堕天使にされた天使。
二人は一つの身体を共有し、それぞれの復讐を始める。
けれど――誰を、どうすれば復讐は終わるのか。
命じた者。
手を下した者。
従っただけの者。
何も知らなかった者。
そして、すでに死んでいる者。
理由を知っても、許す必要はない。
だからといって、すべてを殺せば満足できるとも限らない。
これは二人が、自分自身で「もういい」と言える復讐を見つける物語。
そして復讐が終わった、その先で――
後始末を続けていた少女が、いつの間にか人々から「神」と呼ばれるようになるまでの物語である。