あらすじ

感想は、ぜんぶ同じ名前だった。 都心から祖母の家に来た夏、汐見真尋(しおみまひろ)のもとに、久しぶりの感想がひとつ届く。誰にも読まれない話を、八十八回も直した夜に。投稿する前に自分で消した一行まで、知っている読者から。 呼び出された場所は、ずいぶん前に閉めたきりの古本屋・汀書房(みぎわしょぼう)。開くはずのない戸の向こうに、夕暮れの岸辺の町がある。坂じゅうに色糸を干す町で、空には月のかわりに大きな糸巻きがかかっている。 たったひとりの読者・綴と、真尋はその町を巡りながら、書けなかった続きを一行ずつ書いていく。ただしそこは、通うたび、なにかが静かに遠のく場所で。 綴は、なぜ、この話だけを読んでいたのか。

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小説を読もう2026/10/07
  • 現在の作品八十八回目の夏 〜ぜんぶ読んでいた人が、ひとりだけいた〜