あらすじ
「君を愛しているから、僕を忘れてもいい。」
最愛の人・孝太を失った美音は、彼の死を受け入れられず、自分を責め続けていた。
そんなある日。
死んだはずの孝太から、スマートフォンに一つの音声が届く。
『美音。今日も一日、お疲れさま』
それは、生前の孝太が残していた「声」だった。
美音が泣いている時。
眠れない時。
外へ出る時。
誰かを好きになった時。
孝太は、いつか自分がいなくなることを知りながら、彼女の未来のために何百もの声を残していた。
けれど。
その声を届けるかどうかを決めているのは、孝太ではない。
親友の美穂だった。
孝太から託されたのは、一つの約束。
――美音が、もう僕の声を必要としなくなった時。
その時は、もう送らなくていい。
そして美音は少しずつ、孝太のいない世界を歩き始める。
これは。
死んだ恋人が、残された彼女に「生きてほしい」と願い続けた物語。
そして最後に残るのは――一つの言葉。
「幸せになってくれ」