あらすじ
年金暮らしの老夫婦、義和と真姫にとって、大型連休は恐怖でしかなかった。
東京都八王子市からはるばる、北海道の美瑛町の実家に帰省する息子夫婦。
悪びれたふうもなく、旅費をはじめ、食費からお小遣いすべてを老夫婦から捻出させるのだ。
老夫婦の貯蓄は連休ごとに目減りし、心身ともに疲労困憊する。
これは家族の絆ではない。合法的な搾取でしかないのだ。これこそが世間でひそかに話題になっている【帰省ハラスメント】だった。
「おれたちゃ、ケツの毛まで毟り取られるんじゃないか」
そして義和は気づくのだった。なぜか連休のたびに自分たちが衰弱していく、本当の理由に……。
※本作は『秋の文芸展2026』参加作です。